マーケティングの教科書 / コース3 — コピーライティングの教科書 / レッスン 3-3
コース3 — コピーライティングの教科書コピーの型 — PASONA・AIDA・QUEST を使い分ける
所要時間: 8分 | 更新: 2026-06-11
このレッスンで学べること:
- 代表的なコピーの型 AIDA・新PASONA・QUEST のそれぞれの構造
- 「読み手の温度感」で型を使い分ける判断基準
- 型をなぞっただけの死んだコピーにしないための注意点
型は手抜きではなく、読み手の心理の地図
「型に当てはめて書くなんて手抜きでは?」と聞かれることがあります。私の答えは逆で、型とは先人が何十年も検証してきた「人が行動するまでの心理の順番」です。型を知らずに書くのは、地図なしで山に入るのと同じ。まず3つの代表的な型を押さえましょう。
AIDA — 最古にして最汎用の型
AIDAは100年以上使われてきた古典で、4段階で構成されます。
- Attention(注意): まず気づかせる
- Interest(興味): 自分ごとだと思わせる
- Desire(欲求): 欲しいと感じさせる
- Action(行動): 行動を指示する
使いどころは、短いコピー。広告バナー、SNS投稿、メールなど、数秒で完結する場面ではAIDAのシンプルさが最強です。
- 例: 「まだ手書きで請求書?(Attention)→ 月末の3時間が3分になります(Interest)→ フリーランス8万人がもう移行済み(Desire)→ 無料で試す(Action)」
弱点は、疑い深い読み手への説得力が薄いこと。単価が高い商品では後述の2つが向きます。
新PASONA — 問題解決型の王道(日本発)
PASONAは経営コンサルタントの神田昌典氏が提唱した日本発の型です。旧版では2文字目が「Agitation(煽り)」でしたが、2016年の著書『稼ぐ言葉の法則』で煽りを「Affinity(親近感)」に置き換えた新PASONAに更新されました。不安を煽って売る時代は終わった、という宣言でもあります。
- Problem(問題): 読み手が抱える問題を言語化する
- Affinity(親近感): 「私も同じでした」と寄り添う
- Solution(解決策): 解決の方向性を示す
- Offer(提案): 具体的な商品・価格・特典を提示する
- Narrowing down(絞込): 対象や期限を絞る
- Action(行動): 行動を促す
使いどころは、悩みが明確な商品のLPやセールスレター。ダイエット、転職、集客など「困りごと起点」の商材と相性が抜群です。
- 悪い例(旧式の煽り): 「このままでは、あなたの店は1年後に潰れます」
- 良い例(親近感): 「私も3年前、閉店後のレジ締めのたびに通帳を見るのが怖かった一人です」
煽りは短期的には数字が出ることがありますが、信頼を削って売る方法です。私は新PASONAのAffinityこそ、この型の心臓部だと思っています。
QUEST — 疑い深い読み手を説得する型
QUESTはコピーライターのミシェル・フォーティンが提唱した型で、本人いわくAIDAの発展形・補完です。
- Qualify(資格付け): 「これは〇〇な人のためのものです」と対象を宣言する
- Understand(理解): 読み手の状況を理解していると示す
- Educate(教育): 解決の仕組みを論理的に教える
- Stimulate(刺激): ベネフィットや証拠で欲求を高める
- Transition(転換): 読者から顧客へ橋を渡す
使いどころは、高単価・BtoB・知識が必要な商材。Educate(教育)の段階が厚いため、「仕組みを理解してから買いたい」読み手に効きます。冒頭のQualifyで関係ない人を先に降ろすのも特徴で、絞るほど残った読み手の本気度が上がります。
使い分けの基準は「読み手の温度感」
私の判断基準はシンプルです。
- 数秒しか読まれない場所 → AIDA
- 悩みが熱く、感情で動く商材 → 新PASONA
- 疑いが強く、理屈で動く商材 → QUEST
最後に注意点を一つ。型は骨格であって、文章のコピペ元ではありません。「あなたはこんなことで悩んでいませんか?」のような定型句をなぞっただけのLPは、読み手に「型の匂い」で見抜かれます。各段階で「何を達成するか」だけ型から借りて、言葉は自分の顧客の言葉で埋める。それが型の正しい使い方です。
まとめ
- 型は心理の順番の地図。AIDA=短距離、新PASONA=悩み起点、QUEST=説得起点
- 新PASONAの核心は煽りではなく親近感(Affinity)
- 型から借りるのは構造だけ。言葉は顧客の言葉で埋める
次のレッスンでは、これらの型を1枚のページに実装する「LPの構成」を扱います。