回答の型 — 大喜利の基本パターン分類

回答の型 — 大喜利の基本パターン分類

このレッスンで学べること:

  • 大喜利回答の主要6類型と、それぞれの「面白さの源泉」
  • お題を見た瞬間に型を当てはめて候補を量産する方法
  • 型の使用比率と、型に頼りすぎることの落とし穴
目次 (9)

なぜ「型」を学ぶのか

前レッスンで見た4段階パイプラインのうち、第2段階(連想の放射)と第3段階(意外性フィルタ)を一気に高速化するのが「型」です。ゼロから探すのではなく、6つの型を順番に当てはめれば、候補は機械的に量産できます。私がコピーライティングの研修でも使っている分類を紹介します。

※以下の回答例はすべて私が解説用に作った例です。

型1: あるある誇張

「みんなが薄々感じていること」を見つけ、それを2〜3割ではなく10倍に誇張する型です。

例(私作): お題「こんな美容師は嫌だ」→「『今日どうします?』の圧で結局いつも同じ髪型にさせてくる」

面白さの源泉は共感です。誇張が足りないと「ただのあるある」で終わるので、現実の延長線上ギリギリまで膨らませるのがコツです。6類型の中で最も打率が安定し、初心者がまず習得すべき型です。

型2: 視点変更

お題の状況を、普通は語り手にならない人物・モノの目線から答える型です。

例(私作): お題「マラソン大会で一言」→ 沿道の信号機目線で「俺だけ一歩も動けない」

人間の脳は「誰の視点で見るか」を固定しがちなので、視点をずらすだけで強い意外性が生まれます。お題に登場する脇役・背景・道具を列挙すると候補が見つかります。

型3: 擬人化

視点変更の発展形で、モノや動物に人間くさい感情や事情を背負わせる型です。

例(私作): 自動ドアの写真で一言→「今日、開くの3万回目なんですけど誰も気づいてくれない」

「写真で一言」系のお題と特に相性が良く、写っている無生物に内面を与えるだけで回答が成立します。

型4: 言葉遊び

音の類似、二重の意味、定型文の改変など、言語そのものの構造で笑わせる型です。ダジャレと違うのは、音遊びに「文脈の意外性」を重ねる点です。

例(私作): お題「『ドッペルゲンガー』を使って一言」→ 響きの良さだけで必殺技として叫ぶ

決まれば爆発力がありますが、外すと最も寒い型でもあります。瞬発力より語彙ストック(レッスン8-4)がものを言います。

型5: メタ

お題そのもの、大喜利という形式そのもの、出題者や場の空気を回答の対象にしてしまう型です。

例(私作): お題「こんな大喜利のお題は嫌だ」→「これ」

枠組みを壊す快感が笑いを生みますが、連発すると「逃げ」に見えるため、ここぞの一発に温存するのが定石です。

型6: シュール(文脈破壊)

論理の橋をあえて架けず、説明不能な飛躍や狂気で笑わせる型です。理屈で笑わせる型1〜5と違い、聞き手の「理解しようとして失敗する瞬間」自体が笑いになります。

実際の番組でも、フリップに渦巻きを描いて無言で回し続けるような非言語の回答が大爆発した例があります(レッスン8-3で詳述)。再現性が最も低く、演者の人格やキャラクターと一体で初めて成立する上級者向けの型です。

型の使い方: 6本のスロットを順に回す

実戦では、お題を見たら6つの型を順番に当てはめ、各型で1〜2候補ずつ出します。体感として、安定して点が取れるのは型1〜3で、これが全候補の7割を占めるのが健全な比率です。型4〜6は当たれば大きい「一発枠」と考えてください。

型は思考の補助輪であって目的ではありません。型をなぞった「だけ」の回答は意外性フィルタを通らないことも、忘れないでください。

参考

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青野俊樹(現役マーケター)

現役マーケターとして、マーケティングを軸に気になったテーマを調べて体系立てて発信しています。 運営方針 は メディアについて をご覧ください。