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マーケティングの教科書 / コース10 — 決算資料で学ぶマーケの教科書 / レッスン 10-1

コース10 — 決算資料で学ぶマーケの教科書

決算説明会資料の読み方 — マーケターが見るべき箇所

所要時間: 8分  |  更新: 2026-06-11

このコースでは、上場企業の決算資料を「マーケティングの教材」として読む方法を学びます。決算資料は、各社が実際にいくら使って、どう顧客を獲得し、何を KPI にしているかを無料で公開している一次情報です。マーケの本を10冊読むより、好きな会社の決算説明会資料を10期分読むほうが学びが深い、と私は本気で思っています。

3種類の決算資料の違い

上場企業が出す資料は主に3つあり、役割が違います。

資料 性格 マーケターにとっての価値
決算短信 速報。数表中心で様式が決まっている 売上・利益の確定数値。広告宣伝費は注記にあることも
決算説明会資料 任意開示のプレゼン資料 ★最重要。戦略・KPI・グラフで「会社が何を見せたいか」がわかる
有価証券報告書(有報) 法定開示。最も詳細 販管費の内訳(広告宣伝費)、セグメント詳細、リスク認識

マーケ手法を学ぶ目的なら、まず決算説明会資料です。投資家を説得するための資料なので、その会社の成長ロジック(=マーケティングモデル)が図解されています。入手は各社 IR サイトの「IR ライブラリ」からで、誰でも無料です。

マーケターが見るべき5つの箇所

1. KPI スライド

会社が定義する成長指標 — GMV、課金ユーザー数、ARPU、解約率、出店数など — が必ずどこかにあります。その会社が「何が増えれば成長か」をどう定義しているかが、ビジネスモデルの要約です。

2. 広告宣伝費・マーケティング投資の説明

「今期はマーケティング投資を強化」「効率化により販管費率が改善」といった記述と金額。売上に対する比率(対売上広宣費率)を時系列で追うと、その会社の投資フェーズ(攻め/刈り取り)が読めます。

3. 顧客獲得の説明

新規顧客数・会員数の推移グラフ、獲得チャネルへの言及。LTV や CAC という言葉を資料に載せる会社(SaaS や EC に多い)は、ユニットエコノミクス(コース6-4)で経営している会社です。

4. セグメント情報

どの事業が稼ぎ頭で、どの事業が投資中か。「利益の出る事業で稼ぎ、成長事業に投資する」という資源配分そのものが、全社レベルのマーケティング戦略です。

5. 質疑応答(書き起こし・ログミーファイナンス等)

説明会の質疑では、資料に書いていない本音(競争環境、投資の効果実感)がこぼれます。公開されている場合は必読です。

読むときの注意

  • 決算資料は「見せたい物語」でもある — 都合の良い指標を選んで見せる自由が会社側にあります。指標の定義変更(例: 集計方法の変更)には注意
  • 単四半期と累計を混同しない — 「3Q 決算」には四半期単独と 9 ヶ月累計の両方が載ります
  • 会計期間を必ず確認 — 「FY2025」が 2025年3月期か 2025年12月期かは会社によって違います

まとめ

  • マーケ教材としての本命は「決算説明会資料」。IR サイトで無料公開
  • KPI 定義・広宣費・顧客獲得・セグメント・質疑の5点を見る
  • 資料は会社の「見せたい物語」でもあることを忘れない

次のレッスンでは、実際に3社(サイバーエージェント・メルカリ・MonotaRO)の資料からマーケ手法を読み取ります。

参考

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