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コース5 — 広告運用の教科書

計測と改善 — CPA・ROAS・LTV で判断する

所要時間: 8分  |  更新: 2026-06-11

このレッスンでは、広告運用の意思決定に使う3つの指標 — CPA・ROAS・LTV — の計算と使い分けを学びます。コース5の総仕上げとして、「この広告は続けるべきか」を数字で判断できるようになるのがゴールです。

3つの指標の定義

指標 計算式 答える問い
CPA(顧客獲得単価) 広告費 ÷ コンバージョン数 1件獲るのにいくらかかったか
ROAS(広告費用対効果) 広告経由売上 ÷ 広告費 × 100% 広告費1円がいくらの売上になったか
LTV(顧客生涯価値) 平均購入単価 × 購入回数 × 継続期間(簡易式) 1顧客が生涯いくらもたらすか

たとえば広告費 30 万円で 20 件の購入(売上 60 万円)なら、CPA は 15,000 円、ROAS は 200% です。

CPA だけで判断すると間違える

私が現場でよく見る失敗は「CPA が安いキャンペーンに予算を寄せたら売上が落ちた」というものです。原因はだいたい次のどれかです。

  • 客単価が違う — CPA 1万円でも単価 5 千円の客なら赤字、CPA 3万円でも単価 30 万円なら大儲け
  • リピート率が違う — 初回は赤字でも LTV で回収できる商材がある
  • CV の質が違う — 資料請求 CPA が安くても、その先の成約率が低ければ意味がない

つまり CPA は「いくらまで払っていいか(上限 CPA)」とセットで初めて意味を持ちます。

損益分岐 CPA の求め方

上限 CPA は次の式で出します。

上限 CPA = 粗利 × 許容回収期間内の LTV − 必要利益

最も単純な「初回購入で回収する」モデルなら、

  • 商品単価 10,000 円、原価・配送等 4,000 円 → 粗利 6,000 円
  • 利益を 2,000 円残したい → 上限 CPA = 4,000 円

サブスクや リピート商材なら、「6ヶ月以内 LTV の粗利」を基準にするなど回収期間を決めて計算します。回収期間を無限に伸ばせば CPA はいくらでも許容できてしまうので、キャッシュフローが耐えられる期間で区切るのが実務の知恵です。

ROAS の使いどころと罠

ROAS は EC のように売上金額が即座に立つ商材で使いやすい指標です。ただし2つの罠があります。

  1. 粗利率を無視している — ROAS 300% でも粗利率 20% なら赤字です。損益分岐 ROAS = 100% ÷ 粗利率 で確認します(粗利率 40% なら 250% が分岐点)
  2. 計測の取りこぼし — ビュースルー CV や別デバイス購入は計測から漏れます。プラットフォーム管理画面の数字と実売上の両方を見ます

予算配分の基本

私の予算配分の手順はシンプルです。

  1. キャンペーン/チャネルごとに「上限 CPA(または分岐 ROAS)に対する余裕」を出す
  2. 余裕があり、かつまだ配信量を増やせるところに追加予算を入れる
  3. 上限を超えているものは、クリエイティブ・LP 改善(コース5-4)で立て直すか、止める

「全チャネル均等」や「前年踏襲」の予算配分は思考停止です。数字の根拠を持って傾けます。

まとめ

  • CPA は上限 CPA とセットで使う。安い CPA ≠ 良い広告
  • ROAS は粗利率で割り戻す(損益分岐 ROAS = 100% ÷ 粗利率)
  • LTV を入れると「初回赤字でも勝てる」判断ができる。ただし回収期間を区切る

参考

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